生を撮るか、死を撮るか
NHK『”樹木希林”を生きる』
木寺ディレクターの奮闘

カテゴリー カジュアル着物

 

ご覧になった方もいると思いますが、26日にNHKで『“樹木希林”を生きる』が放送されましたね。

昨年から立て続けに4本の映画に出演された希林さんを密着取材したドキュメンタリー。

 

作品への向き合い方、生や死についての考え方など、とても興味深いものがありましたが、

個人的には、長期にわたり“樹木希林”という人物と向き合うことになった木寺ディレクターの奮闘ぶりが面白く、また非常に感動しました。

 

自分を知らない、女優がすぎる樹木希林

作品づくりに対して、並々ならないこだわりを見せる希林さん。

『万引き家族』では、自分が演じる老婆の行動がどうも理解できないと是枝監督に意見し、

物語の根底となる設定から書き直させていました。

 

役の内面まで理解して演じようとする女優魂には脱帽ですが、

そうした作品へのこだわりは、このドキュメンタリーにも及ぶわけです。

 

密着取材がはじまって半年が過ぎた頃、
ただついてきて、カメラを回すだけの木寺ディレクターに苛立ちを見せます。

樹木希林を生きる

 

見ている私も、おそらく木寺ディレクターも、「順調な撮れ高ですよ~」と思いましたが、

希林さんご自身は「何も撮れていない」と思っているのです。

「達成感がない」「発見がない」とフラストレーションを募らせている様子。

 

「どういうのが面白いのかしら」「なにかいい方法はないかしら」

とまじめに悩んでいるのがおかしい。

 

ありのままの自分の言動・行動が、どれだけ含蓄に富み、人に影響を与えるかに気づいていないようです。

 

 

ためされる木寺ディレクター

密着取材も終盤にさしかかった頃、自ら題材を提供しだす希林さん。

PET画像のカルテを持ってきたり、在宅医療の打ち合わせの場に木寺ディレクターを呼んで撮らせたり。

 

どうやら”死にゆく自分”を番組の目玉にしようと考えた希林さん。

 

さてどうする木寺ディレクター。

 

がんや死を題材にした方が、話題性があり、視聴率もとれるかもしれません。

でも、番組ではけっきょく病気や死については、さらっと流していました。

 

撮ろうと思えば、死にゆくところまで撮れたかもしれませんが、

あくまで“死に方”ではなく、“生き方”に焦点を当て続けたところに、とても好感をもちました。

 

そして、編集した映像を希林さんに見せに行く木寺ディレクター。

 

映像の中の希林さんとくらべて、それを見ている希林さんは明らかにやせ細っていましたが、

目はキラキラと輝き、とっても楽しそう!

 

私の嗚咽も極まりましたが、

映像を見終わって

「まあこうして見ると、ただ撮っているだけで面白い人物よね」

と平然とのたまう希林さんに、吹き出してしまいました。

 

ありのままの自分の姿がどれだけ魅力的かを、生きているうちに希林さんに見せてあげた木寺ディレクター、本当にグッジョブです!

 

「主体性をもちなさい」と、つねに希林さんから遠回しにプレッシャーをかけられていた木寺ディレクターですが、

最後に素晴らしい主体性を発揮しましたね!

 

希林さんの言葉が印象的でした。

人生の結論は十人十色。

でも、途中で、あ~私これで終わりみたいね、と終わっていくのもまたよし。

 

このドキュメンタリーと自分の人生とを重ね合わせ、

落とし所をずっと探していたのかもしれません。

 

 

プライベートの方が女優っぽい

番組では、希林さんの私服や愛車、ご自宅も興味深かったです。

おばあちゃんの部屋着みたいなワンピースや着物がとっても可愛い一方で、

その上に、ゴージャスなセーブルの毛皮のコートを羽織り、いつもオシャレな帽子をかぶり、

移動は外装・内装の美しいトヨタの限定車オリジンを自ら運転するカッコ良さ!

 

物はもらわない、気に入った物しかもたない主義の希林さんですが、

ご自宅はコンクリート打ちっぱなしの無機質な広い空間に、重厚感のある趣味のいい家具を置き、クラシック音楽が静かに流れ、セレブ感満載!

室内を杖をついて歩く姿は、不謹慎ながら映画の一場面のようでした。

 

女優をしているときより、車や家の中にいるときのプライベートの希林さんの方がずっとエレガントで女優っぽいってどういうことでしょう!

 

再放送が10月2日(火) 午後11時55分にあるようですので、見逃した方はぜひご覧になってみてくださいね♪

 

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