着物姿の9割は衿元で決まる!
伊達衿と重ね衿の違いと、
普段使いのススメ 『日本橋』

カテゴリー 着物のコーディネート, 芸者着物

昔、芸者をしていた頃、とにかく衿元の崩れは厳しく注意をされました。

基本的にお座敷の仕事は集団戦といいますか、ホステスのように個人でお客さんをとるのではなく、みんなでお座敷を盛り上げるという感じなので、女の子たちはとても仲が良く、お姉さんたちも優しいです。

でも、衿もとが崩れているのを発見すると、キランと鋭い目になり、そそそそと寄ってきて注意をされました。

それくらい衿もとは大事ということ。

 

数ある着物映画の中でも、とりわけ衿もとの美しさが際立っているのが、『日本橋』(1956年)の山本富士子さん。

パステルカラーの穴のあいたラムネみたいな刺繍がとっても可愛い♡
中に着ている着物のオレンジの格子のような衿のラインが、また衿まわりを絶妙にまとめています。

これだけガバッと衿があいているのに、着崩れる気配がまったくないのはいったいなぜ???
と、気になって仕方がありませんが、監督はやはり着物を知り尽くしている市川崑監督です。

 

今では、格式のある場でも、着物を重ねて着ることはことはほとんどありませんね。
もっぱら伊達衿や重ね衿をつけて、下に着物を重ねて着ているように見せる”うそつき”の着方です。
留袖も比翼仕立てでなんちゃって重ね着がほとんど。

 

 

本作主役の淡島千景さんは、ツルの刺繍半衿に、モノトーンのモダンな伊達衿。
うそです。伊達衿ではなく、ちゃんとお着物を重ねて着ています。
おはしょりなしのお引きずりなので、衽(おくみ)が返って中のお着物がよく見えます。

正統派のお着物がお好きな市川崑監督ですが、細かいところにカジュアルだったりモダンな要素を取り入れて、全体の雰囲気をまとめています。

 

 

ところで私、伊達衿と重ね衿の違いがわからなくてずっと気になっていたのですが、調べてみたらなんのことはない、言い方が違うだけでまったく同じものなんですね!

伊達衿=重ね衿

今更ながらお勉強になりました。

 

着物を重ねて着るのは、やはり格のある着方ですので、たとえ伊達衿や重ね衿が単なる細長い布であっても、それをふだん着で使うのは、ルール上ちょっとおかしい。

でも、オシャレの視点で見ると、着物の襟からのぞく伊達衿のラインは、上半身のコーディネートをまとめるスパイス的効果があり、ルール上おかしいからと言って、ふだんのコーディネートに伊達衿や重ね衿を使わないのはもったいないと、常々思っています。

 

↑こちらのお店は重ね衿(伊達衿)の普段使いを肯定してくれていて、カジュアルラインのものをつくってくれていますよ♪

 

伊達衿や重ね衿の普段使いがどんどん市民権を得ていくといいな~♪

 

↓ランキングに参加しています。クリックで応援していただけると嬉しいです(^^)
にほんブログ村 ファッションブログ 着物・和装へにほんブログ村